溢る
あふる
Nidan verb (lower class) with 'ru' ending (archaic)
標準
to flood
文例 · 用例
大倉の別荘の石垣に、白赤の萩溢るゝがごときに、二輌の馬車門を出でて南へ馳せ去りたる、あれは喜八郎の一家か、車上の男女いたく澄まし顔なるが先ず癪に触りける。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
そうして朝の光の溢るる露の草原を蹴散らして凱歌をあげながら家路に帰るのである。
— 寺田寅彦 『夏』 青空文庫
黒い水の、箱を溢るるばかり、乗客は総立ちに硝子に犇めく。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 と、犇と合はせた、兩袖堅く緊つたが、溢るゝ蹴出し柔かに、褄が一靡き落着いて、胸を反らして、顏を引き、「否、まだ出して上げません。
— 泉鏡太郎 『印度更紗』 青空文庫
彼が反省も思索もなく、きつとお使僧を見つめたとき、彼女は溢るゝ計りの熱心と真実との籠つた彼の説話の二言三言を聞くとはなしに聞き入つた。
— 平出修 『夜烏』 青空文庫
清澄な山気を吸ひ、溢るる浴泉をあびて、筆硯を新にした亨一はすつかり落着いてしまつた。
— 平出修 『計画』 青空文庫
清澄な山氣を吸ひ、溢るる浴泉をあびて、筆硯を新にした亨一はすつかり落着いてしまつた。
— 平出修 『計畫』 青空文庫
」 溢るるばかりの情の露れ、屠犬児は袖を濡して、「ああ、忝うござります。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
作例 · 標準
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