掴み合う
つかみあう
動詞
標準
文例 · 用例
惚れた女の腹の中で、じたばたでんぐり返しを打って騒ぐ、噛み合う、掴み合う、引掻き合う。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
人と人とが血みどろになって掴み合うている。
— ――(消息に代えて)―― 『私を語る』 青空文庫
探幽は顫える手に絵筆を取り上げて、画絹と掴み合うような意気込で、雲龍の図にとりかかりました。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
頭の中、眼の奥には、血潮の散乱と、剥き出した眼球、破れた着物、掴み合う手、その手の中の乱髪、刀、踏みにじられた草、折れた灌木――そんなものが、入り乱れていた。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
撲る、蹴る、掴み合う!
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
けれども、いざ手取りにしようと掛って見ると、命がけで飛び懸って来た牙に捕えられて、思わず同じ係蹄に転り込んだ猟師が、泣きながら、叫喚びながら、獣と人間との血を混ぜ合わせて、掴み合う、食い合う、争闘する――その、自業自得を見ろ!
— 宮本百合子 『渋谷家の始祖』 青空文庫
掴み合うたびごと、つき倒されるたびごと、ころがり廻るたびごとに、服も下着も引きちぎられ、今はもう身を蔽うものも残り少なくなっていた。
— 江戸川乱歩 『人間豹』 青空文庫
槍闘、騎闘、肉闘、白刃戦、敵味方混み合って滅茶滅茶に血しおを浴び肉を掴みあう時でも、戦いは何も黙ってするものと極ってはいない。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫