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深所

しんしょ
名詞
1
標準
文例 · 用例
冬服にメリヤスを重ね着した地上からの訪問者には、地下増温率によって規定された坑内深所の温度はあまりに高過ぎた。
寺田寅彦 青空文庫
汝は黒き断崖と赤き断崖と聳え固りて、鳥の声なき深所に隠れたる、形容するに言葉なき者、即ち鬼神も憐憫の為に泣くという極醜の者、しかも亦極めてその醜を恥ずることを知れる者である。
織田作之助 猿飛佐助 青空文庫
しかしお父様のもう一つの願い、――木曽の館の宝蔵にある、お父様の髑髏で作ったところの、髑髏の盃を取り出して、木曽川の深所の巴ヶ|淵に、沈んでいるお父様の死骸へつなぎ合わせて、お上げしなければならない」 ――と云うそういうことであった。
国枝史郎 蔦葛木曽棧 青空文庫
けれども最も恐ろしいのはその過失がみずから気のつかぬような深所に、しかも道徳的な仮面を被って、自分の反省の届かない域に潜んでいるときである。
倉田百三 愛と認識との出発 青空文庫
掃溜に転ってるがらくたの一つでも、それを真摯な鋭い眼で眺むる時には、其処に、深所から光りがさしてくる、或は高い所から光りがさしてくる。
豊島与志雄 ヒューメーンということに就て 青空文庫
「海鳥型」の釣人は、主として海を翔り、十尋から三四十尋の深所で、赤鯛、スズキ、黒鯛、サバ、太刀魚、鰺、鯒、カレヒ、ブダヒ、モヨ、カサゴ、タコ、イカ、アイナメなどを釣る。
佐藤惣之助 日本の釣技 青空文庫
その点で又、手釣り、脈釣りで、深所を愉しむ人と、竿で弓なりに魚を浅い水からぬく快味を主張する人とがあるが、何方にしても、「釣りとは自然との能き闘争」でなくては面白くない。
佐藤惣之助 日本の釣技 青空文庫
処がこの最奥深所における意向も世間大衆の意向も、あまり反美濃部主義に興味がなかったのである。
戸坂潤 現代日本の思想対立 青空文庫