掬い網
すくいあみ
名詞
標準
文例 · 用例
」 平助はそこにかけてある蓑を引っかけて、小さい掬い網を持って小屋を出ると、外には風まじりの雨が暗く降りしきっているので、いつもほどの水明かりも見えなかったが、その薄暗い岸の上に一|尾の大きい魚の跳ねまわっているのが、おぼろげにうかがわれた。
— 岡本綺堂 『青蛙堂鬼談』 青空文庫
その鯉は不忍の池から流れ出して、この川筋へ落ちて来たのを、土地の者が見つけて騒ぎ出して、掬い網や投網を持ち出して、さんざん追いまわした挙句に、どうにか生捕ってみると、何とその長さは三尺八寸、やがて四尺に近い大物であった。
— 岡本綺堂 『鯉』 青空文庫
「あら、鮮魚が――」 お雪は、鮮魚の店へひっかかって、掬い網を持ってよろこんだ。
— 長谷川時雨 『モルガンお雪』 青空文庫
そしてそうした大きな鯉の場合は、家から出てきた髪をハイカラに結った若い細君の手で、掬い網のまま天秤にかけられて、すぐまた池の中へ放される。
— 葛西善蔵 『遁走』 青空文庫