立て込み
たてこみ
名詞
標準
文例 · 用例
老紳士は、眼鏡のなかの瞳を忙しく働かせながら、あたりの客の立て込みの工合では、別に改った挨拶をせずとも、まだ空のある逸作等のテーブルに席を取っても不自然ではないと、すぐ見て取ったらしい、世馴れた態度で、無造作に通路に遊んでいた椅子を二つ、逸作等のテーブルに引き寄せた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
一切の準備を終り、やがて建込みの日が来た。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
仕込みを終えた翌日からは建込みの監視がはじまった。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
建込みの場所にはかねて親舟が繋留してある。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
代地の方は建具|造作の入替位にてどうにか住まへるかと存じ候へども場所がらだけあまり建込み日当あしく二階からも一向に川の景色見え申さず値段も借地にて家屋だけ建坪三十坪ほどにて先方手取一万円引ナシとは大層な吹掛やうと存じ候。
— 永井荷風 『雨瀟瀟』 青空文庫
一度赤い風が吹くと、防火設備はあったにしても、マッチ箱を並べたような江戸の町家――無分別にも建込みすぎた木造家屋は、ほとんど無抵抗に、無防禦に、際限もなく燃えて行ったのです。
— 酒屋火事 『銭形平次捕物控』 青空文庫