親同胞
おやはらから
名詞
標準
文例 · 用例
それゆえに氏は、親同胞にも見放され、妻にも愛の叛逆を企てられ、随分、苦い辛い目のかぎりを見ました。
— ――親の前で祈祷 『岡本一平論』 青空文庫
どうしようか……勿論親同胞に計らねばならない……どうなるだらうか、身分の事など思ひ浮んだ手古奈は、多少の迷と不安とを感ぜざるにあらねど、新たに光明に接した心持で手足の動きも輕いのであつた。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
母の樣子に氣がついた手古奈は、やをら彼の帶と歌とを親同胞の前へ差置いて、今日の出來事を落なく語る。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
いづれとも親同胞の計らひに依るとの意であれど、手古奈の心底を察すれば單に許諾を求めたとも見られるのである。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
親同胞はかういふ知識上の考に制せられて居る。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
私部小室に對する手古奈の戀は、未だ動かすべからざるほど強固ではないのに、忍男は領主の若殿と云ひ親同胞の熱望と云ひ其人品と云ひ、手古奈に厭な感情の起るべき事實は少しもないとせば、手古奈が忍男に從ふに至るべきは、又自然の命令で所謂神の捌である。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
父や兄やはそれほどではないが、母は一所懸命總身に力を入れての相談であるに、手古奈はさも無造作に落着き切つて、親同胞に心配させる樣なことは少しもないやうに言ふので、母は寧ろ呆氣にとられた態であるが、兎に角一同重荷を卸した如く安心の色を包まぬのであつた。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
そこに於てこそ、自分が苦しみ、悦びしつつ経て行く生活過程に絶対無二な意義を感じ得るとともに、近くは親同胞、配偶者、あらゆる友、生きている者全部の営みに、尊敬と理解、同感を持ち得るのではないでしょうか。
— 宮本百合子 『われを省みる』 青空文庫