立木
たちき
名詞
標準
文例 · 用例
ユーゴーの或る小説で、死刑の宣告を受けた男が、ギロチンといふ仏蘭西語のスペルの一字一字が、断頭台の組立木片のやうに見えることを書いているが、欧洲大戦の時、独逸飛行船の空襲を受けたロンドン市民は、ツエツペリンといふ綴字そのものから、直覚的に悪魔を表象したといふことである。
— 萩原朔太郎 『名前の話』 青空文庫
火が、ぴしぴし、音を立てて、盛に燃え出すと、樺の立木の葉が、鮮やかに、油紙の屋根に印して、劃然とした印画が炙り出される。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
町外れから、曲り拗ねった路や、立木の暗い下を迂路ついて、与平治茶屋まで来た。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
悪い雲が低く傾いて、その欠け間から月を見せる、立木の腹が、夜光の菌でもあるように、ボーツと白く明るくなった。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
『胸算用』には「仕かけ山伏」が「祈り最中に御幣ゆるぎ出、ともし火かすかになりて消」ゆる手品の種明かし、樹皮下に肉桂を注射して立木を枯らす法などもある。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
平家ながら天井が、高い処に照々して間数十ばかりもござりますのを、牛車に積んで来て、背後に大な森をひかえて、黒塗の門も立木の奥深う、巨寺のようにお建てなされて、東京の御修業さきから、御子息の喜太郎様が帰らっしゃりましたのに世を譲って、御夫婦一まず御隠居が済みましけ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
道で見た二三本の立木は、大きく、不細工に、この陰気な平地に聳えている。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
この蒙古方面から疾駆して来る風は、立木をも、砂土をも、家屋をも、その渦のような速力の中に捲きこんで、捲き上げ、捲き散らかす如く感じられた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
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立木(たちき、りゅうぼく)、立ち木(たちき)とは、地面に生育している樹木をいう。また、法律上特定の樹木に関して立木(りゅうぼく)と定義して特別の扱いをすることがある。
出典: 立木 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0