蒲鉾板
かまぼこいた
名詞
標準
文例 · 用例
短冊代りに結び付けた蒲鉾板の裏表には、これも定家様で彫込んだ狂歌に朱が入れてある。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
すたれ釘世をすぢかいになり下る 底抜け徳利のチリンカラカラ古釘と底抜け徳利の風鈴は 阿弥陀も知らぬ極楽の音 その蒲鉾板の裏表を手に取って引っくり返して見ながらニッコリと笑った良助は、その前の雨戸をガタガタと叩いた。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
但、軒先の底抜燗瓶と古釘の風鈴にブラ下った蒲鉾板が、新しいのと取換えられて違った狂歌が墨黒々と書いて在る。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
錆びの這入った、長さ五六寸もあろうと思える五本の鍵が蒲鉾板のような板の一点に、それぞれ紐で結わえつけてある。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
父の売ったものはこれは老人自身のひと趣向なので巾八寸位の蒲鉾板位のものに青竹を左右に立て、松を根じめにして、注連縄を張って、真ん中に橙を置き海老、福包み(榧、勝栗などを紙に包んで水引を掛けて包んだもの、延命袋のようなもの)などを附けて門飾りにしたものです。
— 歳の市のことなど 『幕末維新懐古談』 青空文庫
そして御徒町二丁目までくると、中屋という店ののき先に、「男入用」と書いたかまぼこ板がぶら下がっている。
— ――放浪の末、段ボールを思いつく 『私の履歴書』 青空文庫
私は上落合三輪の家で、家へ来る青年がつくってくれたカマボコ板の表札をここでも玄関へ釘つけて、それで平気でいるのだ。
— 林芙美子 『落合町山川記』 青空文庫
新しい土盛りの上に、カマボコ板でこしらえた、小さな二つの墓標がならび、線香の細い煙がながれている。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫