杉原
すぎはら
名詞
標準
文例 · 用例
」と叱すれば、皆々同じく頭を下げて、「杉原太郎兵衛、御願い申す。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
夫婦がこんな風に淋しく睦まじく暮らして來た二|年目の末に、宗助はもとの同級生で、學生時代には大變懇意であつた杉原と云ふ男に偶然出逢つた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
杉原は卒業後高等文官試驗に合格して、其時既に或省に奉職してゐたのだが、公務上福岡と佐賀へ出張することになつて、東京からわざ/\遣つて來たのである。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
宗助は所の新聞で、杉原の何時着いて、何處に泊つてゐるかを能く知つてはゐたが、失敗者としての自分に顧みて、成効者の前に頭を下げる對照を耻づかしく思つた上に、自分は在學當時の舊友に逢ふのを、特に避けたい理由を持つてゐたので、彼の旅館を訪ねる氣は毛頭なかつた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
所が杉原の方では、妙な引掛りから、宗助の此所に燻ぶつてゐる事を聞き出して、強いて面會を希望するので、宗助も已を得ず我を折つた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
宗助が福岡から東京へ移れる樣になつたのは、全く此杉原の御蔭である。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
杉原から手紙が來て、愈事が極つたとき、宗助は箸を置いて、「御米、とう/\東京へ行けるよ」と云つた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
彼は自分を東京へ呼んで呉れた杉原が、今も猶課長として本省にゐないのを遺憾とした。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫