暇もなく
いとまもなく
表現
標準
without losing time (e.g. to do)
文例 · 用例
長火鉢に寄っかかッて胸算用に余念もなかった主人が驚いてこちらを向く暇もなく、広い土間を三歩ばかりに大股に歩いて、主人の鼻先に突ったッた男は年ごろ三十にはまだ二ツ三ツ足らざるべく、洋服、脚絆、草鞋の旅装で鳥打ち帽をかぶり、右の手に蝙蝠傘を携え、左に小さな革包を持ってそれをわきに抱いていた。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
このような婦人が、美服に対した時に、あらゆる理知の束縛を忘れ、当然な因果を考える暇もなく、盗賊の所行をあえてするようになる衝動はそれはど浅薄な不まじめなものばかりとも思われない。
— 寺田寅彦 『丸善と三越』 青空文庫
たとえば、世の中にはずっと清潔な心と自制心とを持った男がと考える暇もなく、それは嘘だ、皆んな貴様と同様なのだ、たぶん貴様以上なのだ。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
考える暇もなくとたんにそんな風に心を決めて、飛びつくように返事して、全く想えば恥かしい。
— 織田作之助 『天衣無縫』 青空文庫
」 今朝、伯父や許嫁と一緒に東京を発って行った筈の伊都子が、今時分どうして自分を訪ねて来たのだろう――と、考える暇もなく、伊都子はいきなり両手を拡げて、信吉の胸にしがみついて来た。
— 織田作之助 『夜の構図』 青空文庫
するとこの時何者かが矢庭に背後から彼を引っつかむと、彼が抗う暇もなく兇暴なる腕は、彼の首をしめつけたまま忽ち壁に向って押し戻した。
— The Portrate of Dorian Gray 『絵姿』 青空文庫
(中略)そして今度逢ったらを繰り返すのを聞いて、何の思索の暇もなくこう云った。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
『願はくば一生、物を言つたり考へたりする暇もなく、朝から晩まで働きづめに働いて、そしてバタリと死にたいものだ。
— 石川啄木 『硝子窓』 青空文庫
作例 · 標準
子供が生まれてからは、食事をとる暇もなく一日が過ぎていく。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
締め切り直前で、息つく暇もなく作業に追われている。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
次から次へと問題が発生し、悲しむ暇もなく対応しなければならなかった。
幻辭AI · gemini-2.5-pro