懐旧談
かいきゅうだん
名詞
標準
reminiscences
文例 · 用例
繰り返しても繰り返しても飽くを知らぬのは、またこの懐旧談で、浮き世の波にもまれて、眉目のどこかにか苦闘のあとを残すかたがたも、「あの時分」の話になると、われ知らず、青春の血潮が今ひとたびそのほおにのぼり、目もかがやき、声までがつやをもち、やさしや、涙さえ催されます。
— 国木田独歩 『あの時分』 青空文庫
此の先生の時にはよく昔話をねだつて、色々の面白い懐旧談を聞かされた。
— 寺田寅彦 『蓑田先生』 青空文庫
この新体詩祭に出席したとかで、あの頃の詩壇の懐旧談を聴かされました。
— 徳田秋聲 『老苦』 青空文庫
スケツチでなくて何だか懐旧談のやうになつてしまつた。
— 小酒井不木 『名古屋スケツチ』 青空文庫
そんな懐旧談をしていたら限りがないが、兎に角寺町の通りの最近の発展は非常なものである。
— 加能作次郎 『早稲田神楽坂』 青空文庫
ハハハハ……」 といったような懐旧談で、頻りに悽愴がってシンミリしている鼻の先へ、庭先の月見草の中から、白い朝鮮服を着て、長い煙管を持った奴がノッソリと現われて来たもんだ。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫
新橋旧売茶亭の主人関口翁を訪ひ其懐旧談を聴く。
— 断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 『断腸亭日乗』 青空文庫
それがために、当然双方の間に話題となるべき懐旧談なども殆ど出なかった。
— 夏目漱石 『道草』 青空文庫