戦ぐ
そよぐ
動詞-五段-ガ行動詞-自動詞
標準
to rustle
文例 · 用例
瀬田の長橋渡る人稀に、蘆荻いたずらに風に戦ぐを見る。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
あたかも何よ、それ畜生道の地獄の絵を、月夜に映したような怪しの姿が板戸一枚、魑魅魍魎というのであろうか、ざわざわと木の葉が戦ぐ気色だった。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
風も、貝寄せに、おくれ毛をはらはらと水が戦ぐと、沈んだ栄螺の影も浮いて、青く澄むまで月が晴れた。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
清葉とお孝の名を記にした納手拭の、一つは白く、一つは青く、春風ながら秋の野に葛の裏葉の飜る、寂しき色に出でて戦ぐを見つつ、去るに忍びぬ風情であった。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 とじりりと膝を寄せて、その時、颯と薄桃色の瞼の霑んだ、冷たい顔が、夜の風に戦ぐばかり、蓐の隈に俤立つのを、縁から明取りの月影に透かした酒井が、「誰か来て蛍籠を外しな、厭な色だ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
風の死んだ、寂とした夜で、あたかも宙に拡げたような、蚊帳のその裙が、そよりと戦ぐともしないのに、この座の人の動くに連れて、屋の棟とともに、すっと浮いて上ったり、ずうと行燈と一所に、沈んで下ったりする。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
高く競売屋が居る、古いが、黒くがっしりした屋根|越の其方の空、一点の雲もなく、冴えた水色の隈なき中に、浅葱や、樺や、朱や、青や、色づき初めた銀杏の梢に、風の戦ぐ、と視めたのは、皆見世ものの立幟。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
恰も何よ、それ畜生道の地獄の絵を、月夜に映したやうな怪の姿が板戸一|重、魑魅魍魎といふのであらうか、ざわ/\と木の葉が戦ぐ気色だつた。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
作例 · 標準
風が吹いて、葉がそよそよと音を立てた。
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彼が歩くと、背の高い草がそよそよと音を立てた。
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彼女がページをめくると、古い本のページがそよそよと音を立てた。
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