此の頃
このごろ
名詞
標準
文例 · 用例
校長が来てから一年余りの此の頃、達沢は教頭の席にゐる。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
床の間の掛軸の話を一寸してから、兄は「此の頃は患者が多くつて随分労れるでせう」と言つた。
— 中原中也 『耕二のこと』 青空文庫
然るにこの男が此の頃大変卑怯ではない人の分る事が分るのはどうしたことでせう?
— 中原中也 『小林秀雄小論』 青空文庫
そして此の頃大変魂の大事なことが分るといふのには、彼の自己自身の興味に沈溺する善良性は小さくなかつたのです。
— 中原中也 『小林秀雄小論』 青空文庫
切角此の頃にない午前中に今日は時間の余裕があつたのぢやあないか。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
それが私から出して呉れといふ此の頃では、出せと言へば父は何時も涙ぐんで断るのであつた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
――今迄はお父さんとお祖母さんだけだつたのが此の頃ではあんたまでお母さんの心配を多くする。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
成程私は此の頃では、私の言ふことは可なり家内中で重くみられてゐた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫