矢床
やっとこ
名詞
標準
文例 · 用例
するとそのうちに小使がヤットコサと腰を上げた。
— 夢野久作 『山羊髯編輯長』 青空文庫
そうして愈々強直してしまった、艶めかしい姿の白坊主をヤットコサと抱き上げて、寝棺の中にソッと落し込んで、三枚|襲ねの振袖と裲襠を逆さに着せて、糸錦の帯で巻立ててやりますと、今度は多量のスポンジと湯と、水と、石鹸と、アルコールとで解剖台面を残る隈なく洗い浄めました。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
そうしてそのまんま地びたの上にソッと寝かして、足の処をシッカリとハンカチで結えるとヤットコサと荷ぎ上げながら、低い声でこんな事を云って聞かせたのよ。
— 夢野久作 『支那米の袋』 青空文庫
そうしてヤットコサと自分の室に帰ると、いつもの習慣通り、寝がけに枕元に引っかけておいた西洋手拭で、顔と手を拭いたが、その時にはもう死ぬ程ねむくなっていたので、スリッパを穿かずに出かけていたことなぞは、ミジンも気付かないまま、倒れるように寝台に這い上ったのであった。
— 夢野久作 『一足お先に』 青空文庫
そこへ博文館の懸賞募集が出ましたので早速投稿した訳ですが、それが二度目にヤットコサと二等に当りましたのが病み付きで、時々|覚束ないものを書かせて頂く事になりました。
— 夢野久作 『涙香・ポー・それから』 青空文庫
花札、骰子、穴一、銭占、豆握り、ヤットコドッコイのお椀冠せまで、何でも御座れの神|憑りで……」「うううむ。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
無茶先生はそれから鍛冶屋にありたけの鉄を集めて真赤に焼いて、たたき固めて、一つの大きなヤットコと鉄の箱を作りました。
— 夢野久作 『豚吉とヒョロ子』 青空文庫
それを無茶先生はヤットコで引き出して、大きな鉄敷の上に乗せて、片手に大きな鉄槌をふり上げて、「スッテンスッテンスッテン」 とたたきましたので、豚吉の身体はだんだん長く延びて来て、当り前の長さになりました。
— 夢野久作 『豚吉とヒョロ子』 青空文庫