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思い半ば

おもいなかば
名詞
1
標準
文例 · 用例
又は水に潜って息を詰めている一分間と、雑談をしている一分間とを比較しても思い半ばに過ぐる事で、前者はたまらない程長く感ずるのに反して、後者は一瞬間ほどにも感じない……というのが偽らざる事実でなければならぬ。
夢野久作 ドグラ・マグラ 青空文庫
広く動植物界を見渡してみると誠に思い半ばに過ぐるものがある……否……人間世界に現われる第六感の実例よりもずっと甚しい、深刻な現象を到る処に発見する事が出来るので一々数えてはおられない位である。
夢野久作 暗黒公使 青空文庫
そんな六ケしい芸術表現は理屈上この世に存在していよう筈がないのであるが、他国は知らず、日本には沢山に在るので、能を見るたんびに、思い半ばに過ぐるものである。
夢野久作 能とは何か 青空文庫
これ以下の不道徳な範囲になって来るともう数限りないので、東京の新聞の案内欄を見ただけで思い半ばに過ぐるものがある。
夢野久作 街頭から見た新東京の裏面 青空文庫
あの本居宣長が儒仏や老荘の道までもその荒い砥石として、あれほど日本的なものを磨きあげたのを見ても、思い半ばに過ぐるものがあろう。
第二部下 夜明け前 青空文庫
近頃、日本の学者は頻りに古神道や家族制度のことをやがましく説かれますが、琉球人の信仰生活や家族制度を一瞥されたら思い半ばに過ぐるものがあるだろうと思います。
伊波普猷 ユタの歴史的研究 青空文庫
お艶が家を出たあと、栄三郎がひとりで自炊していたところへ、相馬の旅から帰った泰軒がズルズルベッタリにいすわりこんだから、その無茶苦茶な朝夕、まことに思い半ばにすぎようというもの。
乾雲坤竜の巻 丹下左膳 青空文庫
リップスの『美学』を読むものはいかに彼の美の感覚が善の感覚と融合しているかを見て思い半ばにすぎるであろう。
――教養と倫理学―― 学生と教養 青空文庫