曠漠
曠漠
名詞
標準
文例 · 用例
今や敵国に対して復讐戦を計画するにあらず、鋤と鍬とをもって残る領土の曠漠と闘い、これを田園と化して敵に奪われしものを補わんとしました。
— 信仰と樹木とをもって国を救いし話 『デンマルク国の話』 青空文庫
その火の色は曠漠とした周囲のなかでいかにも孤独であった。
— 梶井基次郎 『冬の蠅』 青空文庫
それとも大陸の自然の曠漠たる所が在留邦人の気象に反映してゐるためであらうか。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
薄暗くなり出した曠漠たる飛行場を横切って、千鳥食堂へ急ぎ出した。
— 蘭郁二郎 『夢鬼』 青空文庫
道灌が江戸城を築いた頃は、月の入る可き隈もなしと歌われた通り、武蔵野は一望曠漠たる茅原か又は雑木林で、展望を遮る高い建物や、石炭の煙などは皆無であったから、静勝軒からは居ながらにして、いつも(恐らく)山を望むことが出来たであろう。
— 木暮理太郎 『望岳都東京』 青空文庫
この天地がまだ曠漠の荒野であつた時代に、燕が軒に寄り、雀が瓦屋の下に潜むやうな、習性があつた筈は万々無い。
— 柳田國男 『家を持つといふこと』 青空文庫