霊と肉
れいとにく
表現
標準
flesh and spirit
文例 · 用例
従って彼、杉山茂丸は、その上海や香港に於て、東洋人の霊と肉を搾取しつつ鬱積し、醗酵し、糜爛し、毒化しつつ在る強烈な西洋文化のカクテルの中に、所謂|白禍の害毒の最も惨烈なものを看取したに違いない。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
霊と肉、天国と地獄、天使と悪魔、それから何、それから何……対立した観念を持ち出さなければ何んだか安心が出来ない、そのくせ観念が対立していると何んだか安心が出来ない、両|天秤にかけられたような、底のない空虚に浮んでいるような不安がお前を襲って来るのだ。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
思うも気高い……おそろしい、お母様の純真なお心の力……芸術の道と、人間の道と、そうして、のがれようもなく落ちておいでになった恋の道の三つに、霊と肉を捧げつくして、あえなくも世をお早めになった神聖なお母様……可哀そうなお母様……いじらしいお母様……むごい……悲しい……おなつかしい……。
— 夢野久作 『押絵の奇蹟』 青空文庫
否、芳子の霊と肉――その全部を一書生に奪われながら、とにかくその恋に就いて真面目に尽したかと思うと腹が立つ。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
少なくとも「今日の問題」は、所詮、霊と肉との争闘です。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
再び人間は統一へ、霊と肉との調和をもってしかも休止し、妥協することない活動へ向う時代にさしかかっている。
— ――ドストイェフスキーの部(偉大な統一の破壊者、永遠の分裂者としての)―― 『ツワイク「三人の巨匠」』 青空文庫
序の中の霊と肉の調和、自愛と他愛の最もよき折合、イブセンの第三帝国を建設すべく□□努力して居ると云う事を明かに知り得た。
— 一九一六年(大正五年) 『日記』 青空文庫
生命は霊と肉とを不可分に統合せる一如である。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫
作例 · 標準
キリスト教の教義では、霊と肉の葛藤が人間の根源的な罪や誘惑のテーマとして度々語られる。
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その哲学者は、人間を物質的な存在としての肉体と、不滅の存在としての霊という「霊と肉」の二元論で捉えた。
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厳しい断食の修行は、肉体の欲望を抑え込み、霊と肉のバランスを精神的な高みへと導くためのものだという。
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