読み人
よみびと
名詞
標準
文例 · 用例
咲いた桜……に及ぶものは一つもないじゃないか」 と、読み人知らずの、咲いた桜を、いつまでも、いつまでも、ほめていた。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫
何も柿本人麿や山部赤人だけが大歌聖ではなく、読み人知らずの歌に、どんなに優れたものがあるでしょう。
— 柳宗悦 『民藝四十年』 青空文庫
文盲は一つの欠如ではありましょうが、反面にそれだけ読み人と歌とが純な関係にあるともいえるでしょう。
— 柳宗悦 『民藝四十年』 青空文庫
中には柿本人麿とか山部赤人とか学問のあった人も無論いたでありましょうが、「読み人知らず」の歌の中には必ずや文字の読めぬ作者もいたに違いありません。
— 柳宗悦 『沖縄の思い出』 青空文庫
告文の読み人を、かの斎藤利行として、その利行が文中の、叡心、偽ラザル処天ノ照覧ニ任ス とまで、読みくだして来たところ、たちまち眼がくらみ、鼻血を出し、ついに読み終ることも出来なかったのみか、七日ほど後、喉の悪瘡(できもの)から血を吐いて死んでしまったということになっている。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
古今「よみ人知らず」の風である。
— 後期王朝文学史 『女房文学から隠者文学へ』 青空文庫
だから、記紀の短歌に近いものも、亦古今集中の「よみ人知らず」にあるやうなものも、ある後代風な歌の間に置く時、其が復古的だと言ふ感じを抱かせると共に、万葉ぶりだと、判断せられるのである。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
とおもふは、山のかげにぞありける木のまより漏り來る月の かげ見れば、心づくしの秋は 來にけり これは二首ながら、よみ人知らずといつて、作つた人のわからない歌となつてゐます。
— 折口信夫 『歌の話』 青空文庫