家尻
やじり
名詞
標準
文例 · 用例
|釜右ヱ門は金の茶釜のある家を五|軒見とどけますし、海老之丞は、五つの土蔵の錠をよくしらべて、曲がった釘一|本であけられることをたしかめますし、大工のあッしは、この鋸で難なく切れる家尻を五つ見て来ましたし、|角兵ヱは|角兵ヱでまた、足駄ばきで跳び越えられる塀を五つ見て来ました。
— 新美南吉 『花のき村と盗人たち』 青空文庫
藤四郎の眼にとまった彼の男は、石原の松蔵という家尻切りのお尋ね者であった。
— 張子の虎 『半七捕物帳』 青空文庫
女は柳橋の小雛で、男は秩父の熊吉、この熊吉は巾着切から仕上げて、夜盗や家尻切まで働いた奴、小雛はそれと深くなってしまって、土地にもいられないような始末になる。
— 岡本綺堂 『牛』 青空文庫
汝は泥棒か家尻切りか、他人の館へ忍び込み、大事な女を盗もうとは、それでも達者かそれでも達者か!
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
彼の月岡幸十郎は訴え出まして、残らず事柄が分りますと云うのは、彼の伊勢銀に這入りまして家尻を切って二百両の金子を取ったのも此の者で、幸十郎は後に相当のお仕置に相成りました。
— 三遊亭圓朝 『政談月の鏡』 青空文庫
」また、「人間わづか五十年、一人殺すも千人殺すも、とられる首はたつた一ツ、とても悪事を仕出したからは、これから夜盗、家尻切り……。
— 永井荷風 『虫干』 青空文庫