折り鞄
おりかばん
名詞
標準
briefcase
文例 · 用例
よごれた折り鞄などを片手にぶらさげてはいけないのである。
— 寺田寅彦 『ステッキ』 青空文庫
杜は一件書類を折り鞄のなかに入れて、省線電車の乗り場に急いだ。
— 海野十三 『棺桶の花嫁』 青空文庫
勤めていた石川島の方の会社で、いくらか信用ができて株などに手を出していたが、頚に白羽二重を捲きつけて、折り鞄を提げ、爪皮のかかった日和下駄をはいて、たまには下宿へもやって来るのを、お庄もちょいちょい見かけた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
」と、田舎の小父は大きな帽子のついた、帯のある鳶を着ながら、書類の入った折り鞄を箪笥の上にしまい込んで、出がけに母親に勧めた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
二、三人の募集員が、汚い折り鞄を抱えて、時々格子戸を出入りした。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
四十四、五の頭髪の薄い主は、古い折り鞄からいろいろの書類を取り出してしきりに何やら調べていた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
男は折り鞄などを提げて、昼間でも会社の帰りなどに、ちょいちょいやって来た。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
四十六 床揚げの配りものなどが済んでから、浅井がふと通りがかりに、銀座の方から買って来たという真珠入りの指環が、ある晩お増の前で、折り鞄のなかから出された。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫