拇
拇
名詞
標準
文例 · 用例
そして左足の拇指が砕けていた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
ある者は、軸列機を動かす手を休めて、そッと、社員に発見されないように、窓のかげから、小山が、于のもう一方の拇指に針を突き刺すのを見つめていた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
」隅の方で拇指のない坑夫がさゝやいた。
— 黒島傳治 『土鼠と落盤』 青空文庫
母は、竪坑の、ひどく高いところから、拇指ほどの石がヒューと落ちて来た。
— 黒島傳治 『土鼠と落盤』 青空文庫
が、人々は却って皮肉に、「お前んとこにゃ、なんぼかこれが(と拇指と示指とで円るものをこしらえて、)あるやら分らんのに、何で、一人息子を奉公やかいに出したりすらあ!
— 黒島傳治 『電報』 青空文庫
」 お里は、よく物を見てから借りて来たのであろう反物を、再び彼の枕頭に拡げて縞柄を見たり、示指と拇指で布地をたしかめたりした。
— 黒島傳治 『窃む女』 青空文庫
花の落ちた小枝を剪っているうちに気が付いて、よく見ると、大きさはやっと拇指の頭くらいで、まだほんの造り始めのものであった。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
汚れた白足袋の拇指の破れも同じ物語を語っていた。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫