貧人
ひんじん
名詞
標準
文例 · 用例
街のかたを見おろせば、貧人の兒ども簇りて、松明より散る火の子を眺め、手を打ちて歡び呼べり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
車主は顧みて、否、盜人の巣なり、警察の累絶ゆる間なければとて、一たび市民の半を山のあなたに徙し、その跡へは餘所より移住せしめしことあり、されどそれさへ雜草の叢に穀物の種を蒔きしに似て、何の利益もあらで止みぬ、兎角は貧の上の事にて、貧人の根絶やし出來ねば、無駄なるべしと、諭し顏に物語りぬ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
唯だ富人の手に任せて輕く投卑するときは、その賚は貧人心上の重荷となるを奈何せん。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
榛軒は早晩致仕して、貴顕の交を断ち、此小刀を佩び、小若党一人を具して貧人の病を問はうと云つてゐたさうである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
榛軒の貧人を療した事に就いては種々の話があるが、今一例を挙げる。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
朋友の窮を拯ひ、貧人の病を療したのは此意より出でたのである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
貧人が金を得れば堕落の梯を降って行く。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
第三年の收穫は擧げて貧人に與へられる。
— 森鴎外 『古い手帳から』 青空文庫