逆コース
ぎゃくコース異読 ぎゃっコース
名詞
標準
reverse course
文例 · 用例
無意志で歩いているかの女も、さすがにときどきは人に肩を衝かれ、またぱったり出会って同じ除け方をして立竦み合う逆コースを、だんだん煩わしく感じて来た。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
すると同じ頃合いに、逆コースから順コースの人込みに移ったらしい学生の後姿が五六のまばらの人を距てて、かの女の眼の前にぽっかり新しく泛んだ。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
パーソナルでコンピューターと出会い、それから大型の世界を知るという逆コースをたどったタケシには、もう一つ気になる言葉があった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
わしも元来は平凡な、涙もろい人間と思うが、あんまり早くエライ人間になろうと思うて、自分の性格を裏切った人生の逆コースを取って来たために、物の見え方や聞こえ方が、普通の人間と丸で違ってしもうた。
— 夢野久作 『二重心臓』 青空文庫
然るに、昨今の政治の状態は、その反動的な攻勢といい、逆コースの方向といい、もう黙ってはおられないところまで来ている。
— ――寓話―― 『囚われ人』 青空文庫
その安直な定義は、ひいては今日のアサハカな逆コースを生むキッカケにすらなったようなものである。
— 坂口安吾 『親が捨てられる世相』 青空文庫
六三制が巧く行っていないことは事実であるが、何故それが巧く行かないかという点をよく吟味しないで、表面に現われたところだけを改革しても、単なる逆コースに終ってしまうであろう。
— 中谷宇吉郎 『六三制を活かす道』 青空文庫
郡司大尉の千島探検隊の出発から遅れること十カ月、福島中佐が単騎旅行を終えようとする明治廿六年の十二月、イルクーツクでロシア人の茶の隊商に加わり、福島中佐と逆コースをとってシベリヤ徒歩横断の旅行にのぼった。
— 久生十蘭 『新西遊記』 青空文庫