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黒紫

こくし
名詞
1
標準
文例 · 用例
その教員風の男の笑いは、底深く冷く光った眼を正面に据え、睨みを少しもゆるめずに、顎と頬の間で異様に引き吊った笑いの筋肉の作用が、黒紫色の薄い唇ばかりをひりひりと歪めた。
――二つの連作―― 青空文庫
下から成層圏へのぼっていくと、白昼でもまず十キロのあたりでは、空が暗青色となり、それからだんだん暗さを増して、暗紫色となり、二十キロを超えるころには黒紫色となり、それ以上は黒灰色になって、われわれが普段見ている晴れた夜空と同じようになる。
海野十三 成層圏飛行と私のメモ 青空文庫
小さな/\まんまろい黒紫の實である。
若山牧水 たべものの木 青空文庫
そして脣からヱプロンなどまで黒紫の色に染めては母親に叱られた。
若山牧水 たべものの木 青空文庫
見てゐれば可憐ですけれど、泳ぎの時に若し誤つて此奴を踏まうなら、彼は忽ちその黒紫の毬を足裏の肉深く刺し通すのです。
海邊八月 樹木とその葉 青空文庫
半ばは純白の雪に輝き、なかばは山肌の黒紫が沈んだ色に輝いてゐた。
若山牧水 木枯紀行 青空文庫
鳥や獣の足跡も其上になく、地平線に、黒紫の孤立したテイブル・ランドの陰気な輪廓が見える。
宮本百合子 翔び去る印象 青空文庫
自分の呪咀に毒されて、焼き爛れた黒紫色の運命を、正房の、青空のような将来に、感染させたくなかったのである。
宮本百合子 渋谷家の始祖 青空文庫