藤波
ふじなみ
名詞
標準
文例 · 用例
せツせツせ夏もちかづく八十八夜野にも山にも新緑の風に藤波さわぐ時 私は、たまらない気持になつた。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
「藤波の打ち過ぎがたく見えつるはまつこそ宿のしるしなりけれ 数えてみればずいぶん長い月日になることでしょうね。
— 蓬生 『源氏物語』 青空文庫
沈みしも忘れぬものを懲りずまに身も投げつべき宿の藤波 と歌いながら院はお悩ましいふうで戸口によりかかっておいでになるのを、中納言の君はお気の毒に思っていた。
— 若菜(上) 『源氏物語』 青空文庫
まただれかの作、君がため折れるかざしは紫の雲に劣らぬ花のけしきか世の常の色とも見えず雲井まで立ちのぼりける藤波の花 あとのは腹をたてていた大納言の歌らしく思われる。
— 宿り木 『源氏物語』 青空文庫
校主は藤波甚助という人で、雇外国人にはカッシデエ夫妻、カッキング夫人等がいた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
引き出して見ると、それは二枚の名刺で、その中の一枚は、 弁護士 藤波堅策 東京市麹町区内幸町一丁目二番地 電話 二二七三 という一流弁護士のもので、もう一枚はペン字で書き込みをした故志村浩太郎氏の名刺であった。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
藤波堅策兄 志村浩太郎印 この名刺持参人に御保管の書類を お渡し被下度候「この名刺を探し出すまでは何でもなかったんです。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
……ですけども誰にも気付かれないようにこの名刺を持って藤波さんの処へ行くのがとても大変でした。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
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出典: 藤波 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0