手捌き
てさばき
名詞
標準
文例 · 用例
老の手捌き美しく、錦に梭を、投ぐるよう、さらさらと緒を緊めて、火鉢の火に高く翳す、と……呼吸をのんで驚いたように見ていたお千は、思わず、はっと両手を支いた。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
また魅せられたような、お町も、その端へ腰を下して、世帯ぶった手捌きで、白いを取ったは布巾である。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
直ぐには答えないで、手捌きよく茶を注いで、(粗いんですよ。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
」 云いたいことのおしむらがって来る庭前の涼しさだったのに、叩けど響かぬ空廻りの感じで、矢代は心労と懐しさの手捌きに疲れを覚えた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
手捌きも鮮やかにサラサラと軸を解き延ばすと土佐の名手が描いたらしい喜撰法師の画像が出た。
— 国枝史郎 『大鵬のゆくえ』 青空文庫
……伊豆守様の恋文を見て、その秘密を知ってやろう) こう決心すると大胆不敵にも、「その書状ちょいと貸してごらん」 と、三十郎より書状を取ると、髪から簪をスルリと抜き、そこは隠密の巧妙な手捌き、書状の封目へ簪を入れ、見事に封目を解いてあけた。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
ジャンは歩調を按排しながら、器用な手捌きで前へ前へと刈りこんで行った。
— モーリス・ルヴェル Maurice Level 『麦畑』 青空文庫
イヤ一時に千両二千両頂くよりも、何か物産一手捌きの御役目でも仰せつけられた方が、得分が多かろうで」とまるで夢中。
— 江見水蔭 『備前天一坊』 青空文庫