湾汽
わんき
名詞
標準
文例 · 用例
この河口は江戸時代から大きな船の碇泊した港で、今日でも東京湾汽船会社の桟橋と、船客の待合所とが設けられ、大嶋行の汽船がこの河筋ではあたりを圧倒するほど偉大な船体と檣と烟突とを空中に聳かしてゐる。
— 永井荷風 『町中の月』 青空文庫
ずっと向こうに、東京湾汽船発着所のあかりが見えています。
— 江戸川乱歩 『妖人ゴング』 青空文庫
高品さんの本家は十台島という小字にある深い樹立に囲まれた、一町四方もあるような邸宅で、なんでも先祖は浦粕町の開拓者だそうであるが、――高品家の長男であり、私の知人である柾三氏は、夫人のきんさんと二人で蒸気河岸に住み、東湾汽船の発着所を経営していた。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
東湾汽船の三十六号船に乗っている留さんがそう云った。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
東湾汽船も、葛西汽船も、徳行町が終点であった。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
「ああ幸山船長ですよ」と高品さんが穏やかに笑いながら云った、「息子もちゃんとしているし、嫁にいった娘もいるんですがね、ああやって独りぐらしをしているんです、人嫌いでね、おかしなじいさんですよ」 幸山船長は東湾汽船に四十年の余も勤めた。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
ブルさんと仇名される波木井船長は、東湾汽船の三十六号船の船長だが、停年が過ぎたのに頑として船をおりない。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
繰返すようだが、高品家は東湾汽船の大株主であり、高品さんの蒸気河岸の住居では、発着所を経営していた。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫