端布
はぬの
名詞
標準
文例 · 用例
この鯛は、最初洲崎の沖に在る岩礁に、四、五日旅の疲れを休める慣しがあるので、三浦半島の松輪や、房総半島の那古船形、房州の南端布良の漁師などが、これを狙って、夜の釣を試みる。
— 佐藤垢石 『葵原夫人の鯛釣』 青空文庫
衣服はぼろぼろになっていたが、ボタンと端布が灰色の背広であることを示していた。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『闇をさまようもの』 青空文庫
内気な病身のこの少年には友達がなかつたので、こんな手なぐさみをいつかしら覚えてゐて、端布をねだつては日に幾つも様々な色の小猿を作つた、秋の日あたりのいい障子を背中にして。
— 三好達治 『測量船拾遺』 青空文庫
それを、順序もなく一杯飲みながら、駄ジャレまじりにしゃべったことや、子供時分からの釣りの思い出などを書いたのだが、重曹、調味料代わりに川柳、小ばなしを入れ、いわば半端布を切り集めて縫い合わせた漁師の仕事着のようなものである。
— 三遊亭金馬 『江戸前の釣り』 青空文庫