行論
こうろん
名詞
標準
文例 · 用例
秋山氏の行論は不幸にして十分に分析的でなく、却て著しく神託的調子を帶びてゐるために、私は同氏の主張の基礎を把握するのに困難を覺える。
— 三木清 『唯物史観と現代の意識』 青空文庫
人生の或る深刻な危機、モメントとして、それだけのことは諒解されるとして、そのひとが、その主観に立って、進歩的世界観に立脚する新たな恋愛論として、移行論或は清算論めいたものを主張することは、はたして当を得ているであろうか。
— 宮本百合子 『もう少しの親切を』 青空文庫
そもそもこの物理学の敵にして、その発達を妨ぐるものは、人民の惑溺にして、たとえば陰陽五行論の如き、これなれども、幸にして我が国の上等社会には、その惑溺はなはだ少なし。
— 福沢諭吉 『物理学の要用』 青空文庫
我が国において、鬼神幽冥の妄説は、多くは仏者の預るところとなりて、もっぱら社会に流行したることなれども、三百年来、儒者の道、ようやく盛にして、仏者に抗し、これに抗するの余りに、しきりに幽冥の説を駁して、ついには自家固有の陰陽五行論をも喋々するを忌むにいたれり。
— 福沢諭吉 『物理学の要用』 青空文庫
然かのみならず国の徳義の一般に上進すると共に、品行論はいよいよ穎敏となり、天下後世の談にあらずして、いやしくも不品行者とあれば今日の社会に許されざるを常とす。
— 福沢諭吉 『日本男子論』 青空文庫
英仏両派の論陣はその旗幟甚だ鮮明で、イギリス法学者は殆んど皆な延期論を主張し、これに対してフランス法学者は殆んど皆な断行論であった。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
マルキシズムや唯物思想や、アメリカニズムや、大衆や、エログロや、その他一般に喧々|囂々として附和雷同する街頭の流行論に附随して僕などが今更チンドン屋の旗持の一人になる必要は毫もない。
— ――Our faith comes in moments; 『錯覚した小宇宙』 青空文庫
のみならず彼の五行論と出入して複雜を極め、到底通俗の解述を許さない。
— 狩野亨吉 『安藤昌益』 青空文庫