立ち出る
たちでる
動詞
標準
文例 · 用例
」 と呑気に笑って、大勢の男衆や与助に送られて文珠屋を立ち出るところだ。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
応と立ち出ると、そとは雨だ。
— 林不忘 『寛永相合傘』 青空文庫
衣裳を着替え大小ぶっ込み、やおら廊下へ立ち出るとバラバラと現われた手下の猛夫ども、「従いて来るにゃ及ばねえ」云い捨て一人ノシノシと客殿の方へ歩いて行く。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
此の邊を見ずしては大變だと、慌てゝ甲板に立ち出ると、左舷には文人畫に見るやうな奧の島の明媚な山水が眼の前に展開してゐるところである。
— 琵琶湖めぐり 『湖光島影』 青空文庫
喜三郎は同心の座から立ち出ると、老中の幕舎に敬礼し、臼砲の最初の伝習にとりかかった。
— 久生十蘭 『ひどい煙』 青空文庫
其時の雪片は直径一寸もあろうという今迄に見たこともない大きな牡丹雪であったから、此家を立ち出る頃は既に八寸以上も積っていたし、峠の頂上近くの崖のある所では、路を横切って極めて小規模ながらアワの現象さえ起って、少なからず歩行に悩んだ。
— 木暮理太郎 『初旅の大菩薩連嶺』 青空文庫
中門の外まで立ち出ると、待ちかまえていた武士どもが、荒々しく急きたてたが、「それへお坐り遊ばせ」 と、子達にも教え、自分が大地へ坐って見せて、「――では、お慈悲のお輦をいただいて参りまする。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
忘れるともなく話に紛れて、やがて旅籠を立ち出ると、この二人も、中山道を往還する旅人の流れの中に交じって行く。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫