白月
はくげつ
名詞
標準
文例 · 用例
Pissarro のあをき衢を Verlaine の白月の賦など口荒みつつ過ぎゆくは誰が家の子ぞや。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
雲一つない空に若干満月を過ぎた白月が冴え渡り、太古の砂の上に無限の邪悪を思わせる癩病めいた輝きを浴びせていた。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『時間からの影』 青空文庫
馬寮から曳いて来た吐蕃の斑白月毛、北地産の捲毛駿の二頭を献じたりなどしたのである。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
その思、歓びに似て歓びでなく、哀しみに似て哀しみでなく、たゞ哀歓交々心胸を往来して、白月の秋風と共に我胸に入つて漂蕩ふこゝちがする。
— 三木露風 『修道院の月』 青空文庫
ここに主水正親業という者が、薄青の狩衣の下に萌黄縅の腹巻を着こみ、白月毛の馬にまたがり、河原を上に逃げていたが、これを追ったのが今井四郎兼平、馬上にて矢をつがえ満月に引きしぼってひょうと放てば、狙い誤たず親業の素っ首を射当て、そのまま馬より逆さになって落ちた。
— 第八巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
――みな以前は叡山にいた方々で、後に、念仏門へ参られた人たちだ」「なるほど、そう数えあげてみると、叡山が、嫉妬するのも無理ではないの」 前関白月輪公が、まず第一に指を折られる。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫
この日、大将兀突骨は白象にのり、白月の狼頭帽をいただき、青金白珠をちりばめた鱗縅しの胴を着込んで、四肢は黒々と露出し、さながら羅漢の怒れるような面をして、蜀軍の中へ、鉄鎗を揮っていた。
— 出師の巻 『三国志』 青空文庫