風待ち
かざまち異読 かぜまち
名詞動詞-サ変
標準
waiting for favorable wind
文例 · 用例
その日の夕方も、まだ日の高いうちに、野崎島をめぐって神之浦へ切れ込むと、そこへ山のような和蘭陀船が一艘|碇泊って、風待ちをしているのが眼に付いた。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
摺鉢の底の長崎から、この船の風待ちが見えとるけになあ。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
多くの場合は風待ちの爲に、半年か一年、時には二年をも空費せなければならぬ。
— 桑原隲蔵 『大師の入唐』 青空文庫
それからようやく銚子となり、みちのりにして百五十里、風のない時には港へ寄って、風待ちをしなければならなかった。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
今記憶して居る二三を記すならば、御手洗はもと神の社から出た名であるが、帆前船の時代に風待ちの湊として發達した。
— 柳田國男 『瀬戸内海の島々』 青空文庫
以前西國の大名衆の海路參勤をした時代には、その船が風待ちをする間はえらい繁昌で、下々の者までは行き渡らぬので困つたことも多かつた。
— 柳田國男 『瀬戸内海の島々』 青空文庫
その風待ちのつれづれに、肥前松浦川で釣りをした。
— 三遊亭金馬 『江戸前の釣り』 青空文庫
―――要は朝顔日記の中では誰でも知っている宿屋の段と川留の段とを見たことがあるだけで、「ひととせ宇治の螢狩り」とか「泣いて明石の風待ち」とかいう文句に聞き覚えはあるけれど、その螢狩りや舟別れやこの浜松の小屋の段やを見るのは初めてであった。
— 谷崎潤一郎 『蓼喰う虫』 青空文庫
作例 · 標準
荒れた海が静まるのを待つ「風待ち」の港には、何隻もの漁船がエンジンを止めて静かに停泊している。
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「おっと、今は潮の流れも風向きも悪いな。無理に出航せず、茶屋で一杯やりながら風待ちをするとしよう」
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江戸時代の北前船の船乗りたちは、良い追い風が吹くのを何日もこの港で風待ちしていたんだ。
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計画を焦って進めるよりも、今は最適なタイミングが訪れるのをじっと待つ「風待ち」の時期なのかもしれない。
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