痩せ地
やせち
名詞
標準
barren soil
文例 · 用例
これら痩せ地にはびこる多年生の植物は強いあくどい油をその体内に貯えている、火が移りさえすれば際限なく燃えあがる――と、彼は自信をもってそう云った。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
山というものは、痩せ地を営々と人が汗するよりも湖水にした方が清潔だね。
— 坂口安吾 『フシギな女』 青空文庫
単に習性的に父祖伝来の痩せ地を耕すことはないね。
— 坂口安吾 『フシギな女』 青空文庫
現場に最も近い人家はオタツとカモ七の家であるが、住む人物が特別だから時々騒ぎも起るし、騒ぎがなくても菅谷も、月に一度ぐらいは見廻りに行って、二人の風変りな男女の生活はよく心得ているが、二人は山腹の痩せ地をよく耕して、苦しい生活もしていないし、陰のある生活もしていない。
— その十二 愚妖 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
村の者が相談の結果、二人風変りの恋人を一しょにさせて、遠い山腹の痩せ地を与えたが、オタツは力に物を云わせ木をぬき肥料をかつぎあげ、立派な畑にしあげて村人をアッと云わせ、二人の生活は至って平和であった。
— その十二 愚妖 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
稍痩せ地の皮膚のかさ/\してゐるのが目に立つて見えた。
— 高浜虚子 『落葉降る下にて』 青空文庫
わしら、村にいる以上、そんな家の声を聞けば、犬死と知りながらも、どんな事、仕出来さぬとも限らねえ性質でがすし、それで、百姓衆が、救えるもんならいいが、何度やっても、揚句は裏切者が出て、正直者が、獄門に梟かるだけのもんで、領主は領主、百姓は百姓、これや元々、痩せ地の上の台所喧嘩でがす。
— 吉川英治 『脚』 青空文庫
けれど、吉野村の人々が、自分たちの土壌を不幸だとは思っていないように、吉野村の梅にはまた、毅然として、独自な痩せ地の枝ぶりや香気を誇っているらしい風趣があった。
— 吉川英治 『押入れ随筆』 青空文庫
作例 · 標準
この地域は痩せ地が多く、農業には不向きだ。
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痩せ地でも育つ植物を探す研究が進められている。
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何もない痩せ地だった場所に、やがて美しい花が咲いた。
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