青壮年
せいそうねん
名詞
標準
文例 · 用例
屈強の青壮年が体重をささえるために支柱とするはずはないからである。
— 寺田寅彦 『ステッキ』 青空文庫
青壮年男女に於いてはいわゆる春気が発動する。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
思想界にも文学界にもいろいろのイデオロギイやイズムの目覚ましい興隆と絶えざる変遷があったが、その波に漾いながら独身時代の庸三の青壮年期も、別にぱっとしたこともなくて終りを告げ、二十五年の結婚生活にも大詰が来て、黄昏の色が早くも身辺に迫って来た。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
その婿で今日では翼賛会の青壮年団長、促進員、隣組長と云う、流行男ですが、相当なもので、炬燵にあたりながら、一夕気焔を拝聴して大変ためになりました。
— 一九四三年(昭和十八年) 『獄中への手紙』 青空文庫
今日は真に戦後の生活を、世界の大勢と呼応して改造しようとするなら、どの方面においても新らしい青壮年の実力ある偉材を英断に抜擢して、第一に日本人の耳目を刺戟し、気分の刷新、心情の緊張を計って、ふやけた、保守的妥協的の悪気風を一掃して掛かる意気込が必要です。
— 与謝野晶子 『三面一体の生活へ』 青空文庫
三十六年、市村羽左衛門と改名して後の彼を見る者は、幼い初舞台から、青壮年期をのどかにとほして来た人のやうに考へ、この芸格ののびやかなのも、由る所があるやうに思ふだらう。
— 折口信夫 『市村羽左衛門論』 青空文庫
此顔が、青壮年期を通じて、彼にどの位損させたか知れない。
— 折口信夫 『戞々たり 車上の優人』 青空文庫
尤もここでいう文学なる範疇は、小説や詩や戯曲というような文学様式だけを文学と考えている文学青壮年の所謂文学とは必ずしも一致しないが、そうした「文学」よりももっと広範な胎盤に食いこんだ実体を今文学と呼ぶのである。
— 戸坂潤 『思想としての文学』 青空文庫