幻辞.com

袢衿

袢衿
名詞
1
標準
文例 · 用例
椿の花の下でしきりに羽虫を取りっこして居る二つの白いかたまりを見ながら日あたりのいい南の縁に足を投げ出して千世子は安っぽい――それでも絹の袢衿をやりながら云った。
宮本百合子 千世子(三) 青空文庫
お祖母様は行かずといい、いいと仰云るのを強いて行って、石井のおみよさんにあげる袢衿と、二葉亭四迷の『片恋外四篇』をかって来る。
一九一六年(大正五年) 日記 青空文庫
褪紅色の地に大きな乱菊を出したのと、鶯茶の様な色へ暖い色の細かい模様を入れたのを買うと、あっちの隅でお繁婆さんは、出来上って居る瓦斯の袢天の袖を引っぱって居たので、せかせまいと女中の見て居た袢衿を一緒に見る。
宮本百合子 農村 青空文庫
赤味のかかったうすい茶色の厚い紬の様な地の袢衿があったので、その模様を太い綿糸で縫いとって本の表紙にするつもりで買って仕舞った。
宮本百合子 農村 青空文庫
祖母と女中はお年玉にやる子供の着物や「ちゃんちゃん」を縫うのにせわしく、箪笥の下の引出しには元結だの風呂敷、袢衿、前掛地の様なこまこましたものが一杯になった。
宮本百合子 農村 青空文庫