何心無く
なにごころなく
名詞
標準
without any special thought
文例 · 用例
表二階にて下男を対手に、晩酌を傾けおりしが、得三何心無く外を眺め、門前に佇む泰助を、遠目に見附けて太く驚き、「あッ、飛んだ奴が舞込んだ。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
宮は何心無く面を挙るとともに稍隔てたる木の間隠に男の漫行する姿を認めたり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
貫一は婆の示せる名刺を取りて、何心無く打見れば、鴫沢隆三と誌したり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
一つ催促でもして見ようか、と立ち上るなり悪く逆上して眼鏡が曇って居たので何心無く取り外し、二重廻しの袖でレンズを拭き始めた時に、私は再びはっと奇妙な一致に撃たれてふらふらと腰を落して了いました。
— 西尾正 『陳情書』 青空文庫
一人の若い馬賊の手下がそつと街に忍びこんだ、丁度街端づれの広つぱにある刑場の獄門の下をなにごころなく通ると。
— 小説 『小熊秀雄全集−15−』 青空文庫
当人の話では、射※の下へ矢を拾いに行ったときに、悪戯か粗相か、客の射出した矢がうしろから飛んで来て、なにごころなく振向いたお金の頬をかすったのでこんな疵になったと云うのでした。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
なにごころなく振りかえってみると、まるでくびすを踏みそうに、さっきのみすぼらしい乞食浪人が、尻きれ草履を鳴らしてピタピタあとを追ってくる。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
なにごころなくあけてみると、中には綿を敷いて大切そうに石ころが五つ六つ入れてあった。
— 山本周五郎 『石ころ』 青空文庫
作例 · 標準
何心無く、彼はその秘密を漏らしてしまった。
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何心無く、彼女は彼の机の上の書類に触れた。
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何心無く、私はその禁断の話題に触れてしまった。
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