毒口
どくぐち
名詞
標準
文例 · 用例
すると彼は毒口を吐いてその金魚を罵倒するのであった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
一昨日来るぜい、おさらばだいと、高慢な毒口を利いて、ふいと小さなものが威張って出る。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
一月ばかり前の夜、同じこの歌枕で会った時、蝶吉はそれとはなく、頻に子が一人欲しくはないかといったのを、気にも留めないで聞棄にしたが、松の鮨の毒口を、ここで聞正せば実際で、梓は思い懸けず、且つ驚き且つ呆れ、あわれにも情なくも思ったのである。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
』 松公は相渝らずニヤ/\してゐたが、此女の毒口にかゝつては、堪らぬことを知つてゐるので、『アヽ好いよ、好いつてことよ。
— 徳田秋聲 『絶望』 青空文庫
学者というものも、あの若い時に廃人同様になって、おとなしく世を送ったハルトマンや、大学教授の職に老いるヴントは別として、ショオペンハウエルは母親と義絶して、政府の信任している大学教授に毒口を利いた偏屈ものである。
— 森鴎外 『沈黙の塔』 青空文庫
豊吉やお若もわきを向いていてほとんど挨拶もしないばかりか、豊吉は時どき当てこすりらしい毒口さえ放った。
— 岡本綺堂 『両国の秋』 青空文庫
そんな毒口をついたら、終ひには気狂ひのやうに暴れでもしなければ収まりがつかなくなつてしまふだらう……。
— 牧野信一 『毒気』 青空文庫
」と毒口のつもりで笑つた。
— 牧野信一 『予の恋愛観』 青空文庫