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重苦

じゅうく
名詞
1
標準
intense suffering
文例 · 用例
さうした所は、単に温泉町そのものの気分が田舎めいて陰気くさいばかりでなく、周囲の自然そのものからして、妙に百姓じみて感じが重苦しい。
萩原朔太郎 石段上りの街 青空文庫
一行の汽車は、箱根|火山彙を仰ぎ見て、酒匂川の上流に沿い、火山灰や、砂礫の堆積する駿河|小山から、御殿場を通り越したとき、富士は、どんより曇った、重苦しい水蒸気に呑まれて、物ありげな空虚を天の一方に残しているばかり。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
ひどい急坂を上る機関車のような、重苦しい骨の折れる時間が経った。
葉山嘉樹 生爪を剥ぐ 青空文庫
選まれたということの孤独の寂しさ、また晴れがましさ、責任の重苦しさと権利の娯しさ。
岡本かの子 富士 青空文庫
その中に籠められているときは重苦しく退屈だが、離れるとなると寂しくなる。
岡本かの子 老妓抄 青空文庫
その重苦しい何かしら凶事を予感させるような単調な音も、夕凪の夜の詩には割愛し難い象徴的景物である。
寺田寅彦 夕凪と夕風 青空文庫
描き方としては随分重苦しく厚ぼったいものである。
寺田寅彦 帝展を見ざるの記 青空文庫
然しそのユーモラスな效果が消えて行つたあと心に迫つて來る重苦しい眞實がある。
梶井基次郎 『新潮』十月新人號小説評 青空文庫