頂骨
ちょうこつ
名詞
標準
文例 · 用例
創傷は、顱頂骨と前頭骨の縫合部に孔けられている、円い鏨型の刺傷であって、それが非常なお凸であるために、頭顱の略々円芯に当っていた。
— 小栗虫太郎 『後光殺人事件』 青空文庫
「然るにだ……現在、君自身には赤の他人としか思えない呉一郎の頭の痛みが、如何なる精神科学の作用で、君自身の顱頂骨の上に残っているか……」 私は今一度窓の外を振り向いて、解放治療場の一隅にニコニコ笑いながら突立っている呉一郎の姿を凝視しない訳には行かなかった。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
尚、屍体が機関車から投げ出された際に出来たらしく、顱頂骨の後部に近くアングリ口を開いた打撲傷や、その他全身の露出面に亙る夥しい擦過傷等も明かになった。
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫
ドウソン氏はこれより先数年前、英国サセックス州のビルトダウンの共有地に近い畑で道路を作るために土を掘った時、人間の顱頂骨の小さな片を発見したことがある。
— 河上肇 『貧乏物語』 青空文庫
彼は何か纏まった職業に従事すると、三日目から顱頂骨の辺がずきりずきりと痛み出すので一週間と続かなかった。
— 小酒井不木 『死の接吻』 青空文庫
骨相術は頭蓋頂骨の形状を見て、その人の性質を判断する術にして、もっぱら西洋に行われておる。
— 井上円了 『迷信解』 青空文庫
左右、稍不均等なり、顱頂骨は特に薄弱なれども、縫合の骨化は完全にして、異状を認めず。
— 久生十蘭 『泡沫の記』 青空文庫
一部、一|馬克貨幣大の癒著を起し、胼胝状になり、顱頂骨の対応部は薄紙状に薄痩す。
— 久生十蘭 『泡沫の記』 青空文庫