切り目
きりめ
名詞
標準
cut
文例 · 用例
そして翌朝いってみると木の伐り屑がみな元のように元木に付着して切り目がくわっているので伐りまた伐りすること、三十日余になったが、何日も同じことである。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
メイエルホリドは「風呂」で舞台に一定の直径をもつ円い切り目を入れた。
— 宮本百合子 『ソヴェトの芝居』 青空文庫
「あいつは、融通の利かぬ男じゃから、帯刀と談合の上、丁度、感応院の蔵の中に、宝沢の笠のあったのを幸い、犬の血をつけて、切り目を作っての、越前の下役共の先廻りをして、これを贋者の証拠品にしておいたのじゃ。
— 直木三十五 『大岡越前の独立』 青空文庫
二番目に、「だ」調「です」調について書いてある処を読んで、つくづく「言文一致」になる初めの頃にこの文章の切り目の落ちつきに就いて、先人が苦労された事が思ひやられる。
— 水野葉舟 『言文一致』 青空文庫
この文章の切り目、それの落ちつきが、当時の――明治二十年代前後の、意識した言文一致創始の時にはひどく気になつた理由は一応考へて見る必要がある。
— 水野葉舟 『言文一致』 青空文庫
○揚げ昆布は昆布を長さ一寸幅五分位に切り真中に切り目を入れそれを油にてカラリとなるまで揚げ醤油と大根おろしとにて食するか、飯の上へ置き塩または醤油を加え熱湯を掛け茶漬にて食するもよろし。
— 秋の巻 『食道楽』 青空文庫
私はうれしさに我を忘れて一気に向うまで馳け抜けて見ると、丁度カステラの切り目そっくりな※が目の前に切ったって居る。
— 宮本百合子 『追憶』 青空文庫
鉄板にじいじい音をたてて焼かれる丸いかたまりを、卵起しのような四角いブリキで――こてというそうだが――大胆に切り目をつけて、ぱくつく彼の口もとを私ははしゃいだ気持で眺めていた。
— 久坂葉子 『灰色の記憶』 青空文庫
標準
end