良きこと
よきこと
表現名詞
標準
good thing
文例 · 用例
たとえ長生したとて、斯の道に生きるに非ずして、何の良きことがあろうぞ!
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
豐田太左衞門氏は、ゆゐしよある老舖の御主人にして、これまた、長者のふうあり、もののわかりのよきこと無類、三四年前、私と一緒に銀座うらを漫歩せしことありしが、私をしてまるで、鏡花、荷風などの老文士とともに在るが如き思ひを懷かしめた。
— 太宰治 『人物に就いて』 青空文庫
小糠雨猶止まねど雲脚しきりに断れて西の方の空いよ/\明るく、朝風涼しく吹きて心地よきこと云ふばかり無し。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
そこで、豊雄が真女児のことを云うと、嫂は、「男子のひとり寝し給うが、兼ていとおしかりつるに、いとよきことぞ」と云ってその夜太郎に豊雄に女のできたことを話した。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫
これをよきことと思いおるにはあらじ。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
「能くなあ、おつうはよきこと面倒見んな、女の子は斯うだからいゝのさな、直ぐ役に立つかんな」女房の一人がいつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
其の度に他の子供等の後から「泣かさねえでよきことも連れでつてくろうな」といふおつぎの聲が追ひ掛けるのであつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
「おつう、よきこと起せ」勘次はさういつて自分も一つに蹣跚けながら立つた。
— 長塚節 『土』 青空文庫