回転椅子
かいてんいす
名詞
標準
swivel chair
文例 · 用例
八 鏡の中の俳優I氏 某百貨店の理髪部へはいって、立ち並ぶ鏡の前の回転椅子に収まった。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
すると、回転椅子に掛けて、つかぬライターをしきりにカチカチさせていた男、世界文学社の若い社長で小田と同窓だったという島野二三夫がいきなり、「云われたよって、誰にだ……?
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
」 栗栖はテイブルの前の回転椅子をこっちへまわし、煙草にマッチを摺った。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
」 喜平は書卓の前の回転椅子にどっかりと腰を据えながら言った。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
「船長」と彼は、船長の回転椅子の背後から、低い声で船長を呼んだ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
机の前には、回転椅子が一つそなえつけてある。
— 平林初之輔 『鉄の規律』 青空文庫
」 百合子は部屋に入ると、滝本が今迄腰掛けてゐた回転椅子に凭つて、「田舎の春は好いな――妾、昨日から学校が休みになつたので、今朝、帰つて来たのよ、そしたらね――」 と、至極長閑な調子で、含み笑ひをしながら続けるのであつた。
— 牧野信一 『南風譜』 青空文庫
正面の大|卓子と、大暖炉との中間に在る、巨大な肘掛回転椅子に乗っかった正木博士は、白い診察服の右手の指に葉巻の消えたのを挟み、左には当日の新聞紙を掴みながら鼻眼鏡をかけたままコクリコクリと居睡りをしております。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫