玉櫛
たまくし
名詞
標準
文例 · 用例
ふたかたに言ひもてゆけば玉櫛笥わがみはなれぬかけごなりけり と老人の慄えた字でお書きになったのを、ちょうど源氏も玉鬘のほうにいて、いろいろな式のことの指図をしていた時であったから拝見した。
— 行幸 『源氏物語』 青空文庫
おかしいほど慄えている」 と言って、何度も源氏は読み返しながら、「よくもこんなに玉櫛笥にとらわれた歌が詠めたものだ。
— 行幸 『源氏物語』 青空文庫
其かと言うて、橘を玉櫛笥の一つ根ざしと見るはまだしも、此を彼の親根と考へては、辻褄が合ひ過ぎる。
— 異郷意識の起伏 『妣が国へ・常世へ』 青空文庫
饒速日命の天降に随従した三十二人の供奉の人々の中に、天玉櫛彦命は間人連等祖とあるのがこれで、「間人」ここに「ハシビト」また「ハジウド」と訓ませてある。
— 喜田貞吉 『間人考』 青空文庫
左京神別中 間人宿禰 神魂命五世孫玉櫛比古命之後也。
— 喜田貞吉 『間人考』 青空文庫
この最後のものは、前引の天神本紀に天玉櫛彦命は間人連等の祖とあるのと同じもので、天武天皇十三年に間人連等五十氏に姓を賜いて宿禰というに当る。
— 喜田貞吉 『間人考』 青空文庫
たとえば、石川の散所ノ太夫のように、楠木家も玉櫛ノ庄に出屋敷をおいて、運輸の私税を上げたり、寺院争いに兵を貸したり、さかんに散所大名の勢威をふるッて、財を蓄えた一時代もある。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫
――が、近年は玉櫛の出屋敷を廃したので、散所収入の方は、際だッて、減ってしまった。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫