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箇性

箇性
名詞
1
標準
文例 · 用例
役としての春藤某の悲痛な運命の下から、彼の大きな箇性が、彼の大きな頭臚のごとく、愉快ににゅうにゅう首を持ちあげて来るのが面白かった。
徳田秋声 仮装人物 青空文庫
箇性が出て来たんだらう。
徳田秋聲 質物 青空文庫
多勢の小姑や兄嫁に軽蔑されて、実家といふ背景のないものゝ惨めさは、矜も箇性もないものなら卒知らず、芸術にでも生きようとするものには、迚も堪へ切れないことなのよ。
徳田秋聲 彷徨へる 青空文庫
従つて現代を知らうと思ふには、その時代の箇性を詳しく知る必要がある。
田山録弥 現代と旋廻軸 青空文庫
教科書よりも力のあるものだと云う事は忘れてはいけない事で、その読む人々の箇性を形ち造る一分子になる事を知らなければなりません。
宮本百合子 現今の少女小説について 青空文庫
自分の箇性の傾向から必然に成って来た或る運命に真正面から打ち当って見ると、又、全心全身でぶつかって行かずには済まされないような大きな力を感じて見ると、好い加減と云うに近い諸々の概念は、皆真実の熱火に焼き尽されてしまう。
宮本百合子 概念と心其もの 青空文庫
今日我々の理性はたとい如何に所謂実生活に対する自己の体験が貧弱でも、人類の箇性の存在を理論的に認め得る丈けの力は持っていると思う。
宮本百合子 概念と心其もの 青空文庫
従って、箇性の差異に連れて起る箇々の生活内容及び様式の相異を理解し、その価値を正当に批判すべきことは、もう公理なのだとも思われる。
宮本百合子 概念と心其もの 青空文庫