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歯癢

は癢
名詞
1
標準
文例 · 用例
母親は見ぬ風をして見落しなく見ておくから、歯癢ゆくてたまらん。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
お政は、いうまでもなく、死灰の再び燃えぬうちに、早く娘を昇に合せて多年の胸の塊を一時におろしてしまいたいが、娘が、思うように、如才なくたちまわらんので、それで歯癢がって気を揉み散らす。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
尤も進んで春廼舎と競争しようというほど燃上ったのではなかったが、左に右く春廼舎の技巧や思想の歯癢さに堪えられなくなった結果が『小説神髄』の疑問の箇処々々に不審紙を貼ったのを携えて突然春廼舎の門を叩いた。
内田魯庵 二葉亭四迷の一生 青空文庫
ビアトレスは眼を閉じて、軽卒にも知らぬ男の電話にかかって、此ような旅館へ監禁された不甲斐なさを、今更のように歯癢く思った。
松本泰 P丘の殺人事件 青空文庫
彼は、久し振で出て来た友達のことを考えて、歯癢いような気がした。
島崎藤村 並木 青空文庫
歯癢い心持で、自分の下宿を出て見た。
島崎藤村 新生 青空文庫
稀に掴み合を始めても、我々日本人から見ると、極めて悠長なもので、傍で見て居ても齒癢さに堪へぬ程である。
桑原隲蔵 支那人の文弱と保守 青空文庫