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福々

ふくふく
名詞
1
標準
文例 · 用例
老妻といっても、四十四、五の福々しい顔の上品におっとりしたひとであった。
太宰治 姥捨 青空文庫
年は六十ばかり、肥満った体躯の上に綿の多い半纒を着ているので肩からじきに太い頭が出て、幅の広い福々しい顔の目じりが下がっている。
国木田独歩 忘れえぬ人々 青空文庫
耳のラヂオ体操」 つまり、こうやって耳朶の形を大黒さまのように福々しくして、将来、お金が出来るような耳相にするのだと彼は真面目な顔をして言いました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
巡査がどれもこれも福々しい人の好さそうな顔をしているのに反して、行列に加わっている人達の顔はみんなたった今人殺しでもして来たように凄い恐ろしい形相をしている。
寺田寅彦 青空文庫
――末娘で可愛いお桂ちゃんに、小遣の出振りが面白い……小買ものや、芝居へ出かけに、お母さんが店頭に、多人数立働く小僧中僧|若衆たちに、気は配っても見ないふりで、くくり頤の福々しいのに、円々とした両肱の頬杖で、薄眠りをしている、一段高い帳場の前へ、わざと澄ました顔して、(お母さん、少しばかり。
泉鏡花 怨霊借用 青空文庫
屈託無げにはしているが福々爺の方は法体同様の大きな艶々した前兀頭の中で何か考えているのだろう、にこやかには繕っているが、其眼はジッと女の下げている頭を射透すように見守っている。
幸田露伴 雪たたき 青空文庫
」 最高級の言葉を使ったのを福々爺は一寸|咎めた迄ではあるが、女に取ってはそれが言葉甲斐の有ったので気がはずむのであろう、やや勢込んで、「ハイ、そうおッしゃられたのでござりまする。
幸田露伴 雪たたき 青空文庫
「…………」 頭も上げ得ず、声も出し得ず、石のようになっている意外さに、福々爺も遂に自分の会得のゆかぬものが有ることを感じ出した。
幸田露伴 雪たたき 青空文庫