遡航
そこう
名詞
標準
文例 · 用例
遡航は氷室山の麓は赤松の林と断崖のほそぼそとした嶮道に沿って右へ右へと寄るのが法とみえる。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
その本流と付知川との合流点を右折して、その支流一名|緑川を遡航する舷に、早くも照り映ったのは実にその深潭の藍碧であった。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
やがてむづかしい白河の遡航が始つた。
— 田山録弥 『犬』 青空文庫
この大円周上には三十二の哨所を置き、円周上のあらゆる街角、路地、橋詰には洩れなく新撰組と武装警官を配置し、いかなるものをもこの非常地区には立入ることを禁止したのみならず、外濠川の常盤橋、土橋間の河船遡航を禁じ、いわば水も洩らさぬ警戒陣をしいた。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
川を遡航する時間は長くて五分くらいだし、くだりのときは三分たらずであるが、その水上と土堤との短くはかない、けれども誰にも気づかれることのない愛の交換は、若い彼にとってこの世のものとは思えないほどのよろこびであった。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
チャレンジャー教授は、カヌーに乗って、その支流の一つを遡航した。
— ――大人のための童話―― 『イグアノドンの唄』 青空文庫
数千の兵船が、舳艫をならべて遡航しつつあるとのこと。
— 赤壁の巻 『三国志』 青空文庫
二十余艘の兵船は、おのおの、纜から纜を一聯に長くつなぎ合い、徐々と北方へ向って、遡航していた。
— 赤壁の巻 『三国志』 青空文庫