左巴
ひだりともえ
名詞
標準
文例 · 用例
煙波、渺々たる海の面、埋まったりや、数万艘、二引両、四目結、左巴に、筋違い、打身に、切疵、肩の凝り、これなん、逆賊尊氏の兵船。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
兵馬が誰にも怪しまれなかったのは、左巴の紋のついた六所明神の提灯のおかげです。
— 無明の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
出陣の前夜は、一党賑やかに大酒盛して、あくる朝、堀川の宿所から左巴の旗を振り出し、わずか七十余騎で、「正成、何者ぞ」 都を駈け出したものだった。
— 世の辻の帖 『私本太平記』 青空文庫
「太平記」のことばを借りれば、あな、おびただし二つ引両 輪違ひ四ツ目結 左巴旗さまざま雲霞の如く寄懸けたり であった。
— 湊川帖 『私本太平記』 青空文庫
実に我紋は左巴なり、汝が著せしは右巴なりといはれて、終に此論みてたり」――左巴と右巴で埒が明くなどは、形影問答としても簡単過ぎるようであるが、作者は更に数行を加えている。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫