温習
おんしゅう異読 さらい
名詞動詞-サ変
標準
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文例 · 用例
其れよりも、徹夜の温習に、何よりか書入れな夜半の茶漬で忘れられぬ、大福めいた餡餅を※つたなごりの、餅網が、侘しく破蓮の形で疊に飛んだ。
— 泉鏡太郎 『霰ふる』 青空文庫
」 身を恥じるように言訳がましく、「実は、あの、小婢を買ものに出しまして、自分でお温習でもしましょうか、と存じました処が、窓の貴方、荵の露の、大きな雫が落ちますように、螢が一つ、飛ぶのが見えたんでございますよ……」「螢。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫
その手拭が、娘時分に、踊のお温習に配ったのが、古行李の底かなにかに残っていたのだから、あわれですね。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
十七「妙齢で、あの容色ですからね、もう前にから、いろいろ縁談もあったそうですけれど、お極りの長し短しでいた処、お稲ちゃんが二三年前まで上っていなすった……でも年二季の大温習には高台へ出たんだそうです……長唄のお師匠さんの橋渡しで。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
通うその学校は、麹町辺であるが、どこをどう廻ったのか、真砂町の嬢さんがこの辺へ来るのは、旅行をするようなもので、野山を越えてはるばると……近所で温習っている三味線も、旅の衣はすずかけの、旅の衣はすずかけの。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
――場所に間違いはなかろう――大温習会、日本橋連中、と門柱に立掛けた、字のほかは真白な立看板を、白い電燈で照らしたのが、清く涼しいけれども、もの寂しい。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
まだ、それでも、一階、二階、はッはッ肩で息ながら上るうちには、芝居の桟敷裏を折曲げて、縦に突立てたように――芸妓の温習にして見れば、――客の中なり、楽屋うちなり、裙模様を着けた草、櫛さした木の葉の二枚三枚は、廊下へちらちらとこぼれて来よう。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
薄き給金にて繋がれ、昼の温習、夜の舞台ときびしく使われ、芝居の化粧部屋に入りてこそ紅粉をも粧い、美しき衣をもまとえ、場外にてはひとり身の衣食も足らずがちなれば、親はらからを養うものはその辛苦いかにぞや。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫