私自身
わたしじしん異読 わたくしじしん
代名詞
標準
myself
文例 · 用例
私自身が無名でさへなかつたならば、何とかしたでもあつたらうけれど、私が話をした知名の人達はどう迂つ闊りとしてゐたものか。
— 中原中也 『宮沢賢治全集』 青空文庫
はてなき浪の蕩揺に、汝はなが魂打眺む……「なーるほど…」と思ふのは、恐らくボオドレエルが私自身より意識的であることに気が付くからである。
— ――人と海―― 『海の詩』 青空文庫
勿論これは、多かれ少かれ凡ゆる詩人について云へることで、私自身についても云へることである。
— 中原中也 『草野心平詩集『母岩』』 青空文庫
ところで私自身では、いくら元気である時にでも、もしその時に佗しげな夢を見てゐたとしたら、尠くとも直ぐにニコニコはしないであらう。
— 中原中也 『我が生活』 青空文庫
とはいへ、時はまた私自身の上にも流れて居た。
— 愛の詩集の終りに 『愛の詩集』 青空文庫
恐らくに私自身の背後にもまた、その同じ二つの投影を見たことであらう。
— 愛の詩集の終りに 『愛の詩集』 青空文庫
――私と北原白秋氏とは彼の最初の知己であつた――あまつさへ、私自身しばしば彼の表現を模倣しようとして、愚かな失敗を繰返したことさへある。
— 愛の詩集の終りに 『愛の詩集』 青空文庫
誰も、ごぞんじ無いのだ、と私は苦しさを胸一つにおさめて、けれども、その事実を知ってしまってからは、なおのこと妹が可哀そうで、いろいろ奇怪な空想も浮んで、私自身、胸がうずくような、甘酸っぱい、それは、いやな切ない思いで、あのような苦しみは、年ごろの女のひとでなければ、わからない、生地獄でございます。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫